サポートと貸付

・サポートへの考え方

・日常生活のサポート

・障害者割引など

・民間保険

・生活費の貸付


■サポートへの考え方

 サポート(支援)を受けることについての考え方は人それぞれです。

 私は、人の世話になるのがあまり好きではない性格でしたので、公私を問わずサポートはなるべく受けずに過ごそうと思っていました。正直に言えば、今でも特に難病や障害者の認定は、受けなくてもいいなら受けたくないくらいの気持ちです。

 しかし、闘病~手術~復帰の道のりは長く、症状が進むにつれて、ここでお世話になっておかないと、元気になる前に力が尽きてしまうと思うようになりました。学ぶことも多かったですし、少しずつでもサポートを受けることに慣れておいて良かったと思います。

 

■日常生活のサポート

 基本的には、身体障害か難病の認定を受けている必要があります。公的なものに限れば、病気というだけで受けられるサポートは少ないのが現状です。

 

 ①障害者自立支援法

 自宅で移植を待つ間に、病状が悪化し、自力では日常生活に支障がある場合には、「障害者自立支援法」のサービス利用ができます。これは、介護保険制度のようなヘルパーさんの派遣やベッドレンタルなどを利用できる制度です。ただし、入院中は利用できません。

 サービスの利用料は、収入によって自己負担額の上限が異なります。市町村民税非課税世帯なら、月額0円。世帯年収が約300万円~600万円なら月額9,300円、それ以上の場合は、月額37,200円です。(※2019年9月時点)

 申請窓口は、市区町村の障害福祉担当部署になると思います。

 ・障害福祉サービス等(厚生労働省)

 

 ②社会福祉協議会

 ほとんどの市区町村の社会福祉協議会では、独自の福祉サービス(「通院の送迎サポート」や「車いすやベッドの貸出し」をしているところが多い)を実施しています。公的サービスとは異なり、比較的融通が効きますし、費用も安いはずです。直接、市区町村社協に問い合わせてみてください。 

 ・都道府県、指定都市社会福祉協議会のホームページ(全国社会福祉協議会)

 

 ③民間事業者

 ①と同等のサービスを受けたい場合、障害や難病の認定を受けていなければ、費用は全額自己負担となり、直接事業者に申し込むことになります。事業者によっては、利用を断られるかも知れません。

 料金は、事業者によりますが、ヘルパーサービスの利用で1時間1,500円~3,500円程度はかかると思います。 

 

 他には、家事代行サービス業者や家政婦紹介所、シルバー人材センターなどを利用する方法があります。

 公的サービスでは、適用とならない入院中の付添いや急用なども引き受けてくれるかも知れません。利用料金に別途手数料や紹介料、交通費などを支払う必要があるところがほとんどですので、事前に確認してください。

 

■障害者割引など

 身体障害者手帳を提示しなければならないものがほとんどですが、最近は、難病医療受給者証だけでも適用になるものが増えているようです。

 私は、身体障害者手帳を使って、携帯電話料金とJR運賃の割引、自動車税の減免を利用しています。毎月の通院に4~5千円の交通費がかかることもあり、少しでも固定費が安くなるのはありがたいです。

 その他、あまり知られていないものもたくさんあります。詳しいサイトがありましたので、参考にしてください。

 身体障害者手帳のメリットを活用(techo-shogai.com)

 

■民間保険

 民間の医療保険や生命保険に加入している方は、契約内容(特に特約)を確認してみてください。病気や治療の内容によって、給付内容や手続きの方法が思っていたものと違う場合があります。

 よくわからない方は、直接保険会社か代理店に問い合わせたほうが良いです。

 

 なお、保険料の支払いが苦しい場合は、解約以外にも保障内容を下げて支払い額を下げたり、支払いだけを一旦休止する方法などがあります。

 また、 私は思いつかなかったのですが、臓器移植の待機中に、生命保険の「リビングニーズ特約」が適用になる例があるようです。実質、保険金の前払いのようなことなのですが、医師による余命宣告が必要なので、心の整理がついていないとなかなか踏み切れない気もします。

 ・リビングニーズ特約(生命保険の先生.com)

 

■生活費の貸付

 医療費の立替えや一時的な生活のための借金を考えている方は、安易に金融機関などからは借りずに、最寄りの社会福祉協議会で「生活福祉資金貸付制度」の利用を検討してください。ご本人ではなく、ご家族への貸付になるかも知れませんが、どんな金融機関よりも融資条件は良いはずです。

 ・生活福祉資金貸付条件一覧(厚生労働省)

 

 既に借金がいっぱいで、、、保険料や税金も滞納しているし、、、のような場合は、それ以上の借り入れはできませんが、法的整理の相談や生活保護の申請は可能です。福祉事務所や支援団体に相談してみてください。

 いずれにしても、経済的な理由だけで移植を諦める必要は、法的にはないと思います。