■闘病中(移植待ち)の方へ
病気との闘いは、不安との闘いです。
発病当初は楽観的だった私でしたが、病状が進むに連れて不安がどんどん増していきました。
やがて、不安は怒りになり、怒りは諦めになり、死にたいと思ったこともありました。家族からは、「人が変わってしまった」と言われたこともありました。
転機は、“開き直り”でした。自分の現状を受け入れ、人や流れに身を任せることを覚えてから、少しずつ運を引き寄せられるようになったような気がします。追い詰められたと思っても、どうか自暴自棄になったり、根拠のない話に惑わされたりしないでください。
来たるべき時のために、地道に目の前のことや体調管理に努めていれば、神様も応援したくなると思います。
■闘病中の方を支える方へ
親しい人が弱っていく現実と向き合うのは、心身ともに辛いと思います。
私が思っていた以上に、家族の不安やストレスは大きかったらしく、互いに苛立ちや不安を隠せず、冷静さを失うこともありました。頑張れば頑張るほど、無力感に襲われることもあったと思います。
病人は、わがままを言える人がそばにいてくれると、とても心強いものです。
しかし、支える側に余裕がなければ、共倒れになってしまいます。時には距離を置いて、心身を休ませてください。あなたが元気にいることが、病人にとって何よりの安心になるはずです。
今は、病院や行政にも相談できる部署があります。悩む前に、顔を出すだけでもしておくと良いと思います。
■臓器提供者(ドナー)のご家族の方へ
提供を受けた身としては、ただただ感謝しかありません。移植という希望があったからこそ、苦しさに耐えることができました。私の家族も同じ気持ちのはずです。
今の身体を大切にし、できる限り健康でいることが一番のお返しになると思って過ごしています。
みなさまが穏やかな気持ちで、日々過ごしておられることを、心からお祈りしています。